豊かな里山づくり


こちらのページでは私たちが現在行っている活動を紹介します。

里山の現状

里山を利用し管理する人がいなくなった私の地元でもこのような光景が広がっています。放置林となった野山は田畑を荒らす野生動物の住処となり、竹は耕作放棄地の畑にも侵入しています。

一見自然豊かに見える田舎の風景ですが、野山を駆け回って遊んでいた子供の頃の里山の面影はありません。

里山再生の第1歩

本来の里山とは、その森から得られる資源を活用できるよう手入れし続けることで、何十年何百年と守られ受け継がれていく美しい風景です。竹が繁茂し、病気にかかった老齢木の多い荒れてしまった森は、皆伐(すべての木や竹を伐採)して一度リセットし、新しい山に変えていきます。


植林・育林

皆伐した山には、しいたけ原木や薪、炭などに古くから使われてきた里山の代表樹種であるクヌギなどの苗を植えたり、伐採後に萌芽したコナラやアベマキなどの有用広葉樹を生かして育てます。植林をしてから数年間は下草刈りを続け、雑草や竹の侵入を防ぎます。やがて雑草の背丈を超えた広葉樹は15~20年程かけて豊かな明るい里山へ成長していきます。

原木きのこの植菌・薪の製造

切り出した原木のうち、きのこの栽培に適した樹種にはしいたけなどの菌を植えます。その他の雑木や老齢木は薪に加工して、余すことなく利用します。しいたけのほだ場(ほだ木を育成する場所)として地元の林内を利用し、より自然に近い栽培をこころがけています。


原木きのこの栽培

色んな菌を原木に植え付け、ほだ木を作ること約2年、ようやく秋~春にかけて収穫できるようになります。しいたけの場合は簡易ハウス内で栽培することにより、夏季を除く一年中栽培ができるようにしています。菌床栽培が主流の現在、原木栽培のきのこは本来の歯ごたえや風味を楽しませてくれます。

薪の利用

二夏しっかりと乾燥を施した薪はとても火付きがよく、火持ちも良いため薪ストーブにピッタリです。我が家の薪ストーブ燃料として利用するだけでなく、乾燥しいたけを製造する乾燥機の燃料としても使っています。それでも余った薪は販売し、環の森の活動を支える貴重な収入源です。


目指す里山の完成形

約20年のサイクルで伐採をしていけば、もうそのたびに植林をする必要はなく、萌芽更新で新たな木の芽が誕生し、ほんの少しの手入れのみでまた豊かな里山がすぐに再生されます。管理された里山は明るく美しい森となります。春の新緑や秋の紅葉、冬の落ち葉など、四季折々の表情を楽しませてくれ、人を癒してくれます。野生動物との距離も適度に保たれ共生し、田畑の鳥獣害も減ってきます。

十数年のサイクルで伐採→利用→再生を繰り返すことで森を活かし、その恵みで私達は生かされ、また美しい故郷の風景を後世につなぐことを目指して、環の森(わのもり)は活動しています。

メンバー紹介


横田尚人

環の森代表

生産効率の良い菌床栽培のしいたけに市場を席巻され、中国産輸入しいたけの波にもまれながらも、原木しいたけ栽培にこだわり経営を約20年にわたり続けてきました。

どんぐりを育て山に植林する活動を個人的に細々としていましたが、東電の原発事故をきっかけに、環の森の活動に人生をかけて再出発しようと決意しました。

金銭的に裕福ではないけれど、自分が納得できる生き方で、競争しない心豊かなスローライフが送れたら幸せだと思っています。

小さくて気の長い活動になったとしても、環の森の夢を忘れずいろんなことにチャレンジしていきたいと思います。

instagram担当

 

 

 

横田岳登

令和二年度から父が取り組んでいた環の森の活動に参加しました。高校では畜産を、卒業後は県立の専門学校で林業を学びました。安全!確実!をモットーに作業します。

高校で学んだことを生かし、新しい取り組みとして牛の林間放牧(林の中に放牧すること)を実現することを目指しています。

狩猟免許も取得し、そういった面でも里山保全に貢献していきたいと考えています!

趣味は映画鑑賞、好きな映画はショーシャンクの空に、オンリー・ザ・ブレイブなど

Twitter担当